熱中症に対する応急手当
暑さや熱によって体に障害が起きることを熱中症といいます。熱中症は、その原因や症状、程度によって「日射病」、「熱痙攣」や「熱疲労」など様々な呼び方をされてきましたが、厳密に区別することが難しく、最近ではひとまとめにして熱中症と呼ぶことが多くなっています。重症の熱中症は緊急を要する危険な状態で、わが国でも毎年多くの人が熱中症で命を落としています。
熱中症の症状
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手足の筋肉に痛みを訴えたり、筋肉が勝手に硬直したりすることが最初の症状になることもあります。
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次第に具合が悪くなって体がだるいと訴えたり、気分が悪くなり吐き気がしたり頭痛やめまいが生じることもあります。
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立ちくらみや頭がボーッとして注意力が散漫になるのも典型的な症状です。
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トンチンカンな言動がみられれば危険な状態です。
【ポイント】
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大量に汗をかいているうちはまだよいのですが、汗をかかなくなり皮膚が赤く乾いてくると、自分で体温の調整ができなくなり体温が上がってくるので、すぐにでも命にかかわる危険があります。呼びかけても反応が鈍いようであれば、緊急の事態ですので、ただちに119番通報の必要があります。
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熱中症は必ずしも炎天下で無理に運動したときだけでなく、特に乳児や高齢者はクーラーのない暑い室内や車の中に長時間いるだけでも熱中症になります。
熱中症の応急手当ての方法
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涼しい環境に避難させる。
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風通しのよい日蔭やクーラーが効いている室内などが適しています。
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衣類を脱がせ、体を冷やす。涼しい場所に移動したら、体から熱を奪うためにウチワや扇風機で風をあてることが一番効果的です。
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風があたるように衣類を脱がせて皮膚を露出し、あまり汗をかいていないようであれば、皮膚に水をかけて濡らしてから風をあてる必要があります。このとき、氷水をかけるよりもぬるい水をかけてから風をあてる方が効果的です。
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氷嚢などが準備できれば、首、脇の下、太ももの付け根などにあてると冷却の助けになります。
【ポイント】
体の冷却はできるだけ早く行う必要があります。
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水分、塩分を補給する
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熱中症の傷病者は発汗によって、脱水状態になっているので水分を十分に補うことも重要です。
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汗により水だけでなく塩分も喪失しているので、できれば水だけでなく、少量の塩を加えた水か、もしくは最初から塩分含まれているスポーツドリンクを飲ませる方が効果的です。
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医療機関での受診
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傷病者が飲みたくないといっても、励まして飲ませるべきですが、反応が鈍くなり、自分で水が飲めない傷病者に対して、無理に飲ませようとして水を口に入れると、誤って肺に入ってしまう危険があるので避けなければなりません。すみやかに医療機関で点滴等による治療を受けて下さい。
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楽な体位にする
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傷病者の楽な体位をとりますが、特に立ちくらみがあるような場合は脱水が進んでいるので、ショック体位にすると楽になることがあります。